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【対談】GSNの拡張, D-Caseと国際標準化への動き – 電通大 松野先生 x 平鍋


平鍋

平鍋

松野先生にちょっとインタビュー形式でいくつかお話をききたいなと思います。よろしくおねがいします。
先生は、最初にGSNに出会った、どうしてそこに最初に興味をもったのですか?

 


AYM GSNに興味をもったきっかけ


松野先生

松野先生

僕は、JST(独立行政法人科学技術振興機構)DEOSプロジェクトというところで、研究をやってきたわけなんですけれども、そのプロジェクトはシステムを安全に、とか、ディペンダブルに作るには、どうすればいいか、ということを研究開発したわけですね。

初めてそのGSNやアシュアランスケースに出会ったのは、4年前、イギリスに調査研究に行った時に、York大学Tim Kelly(Tim Kellyとのインタビュー動画はこちら)に会って、研究紹介をしてもらったんです。そこで新鮮だったことは、「安全なものを作ること」は勿論なんですが、安全であることを、いかにいろんな人に説得するか、納得させるかということが重要になってきます。その中で安全性ケース、セーフティケースというものが、今、特に欧米で、国際規格認証などで重要になるという話を聞いてたわけです。


AYM システムの安全性やディペンダビリティの見える化は、ディペンダブルにもの作ることと同じくらい大切


今、DEOSプロジェクトというのは、日本のトップ大学が集まってディペンダブルなシステムを作ろうというプロジェクトだったんですけど、そのチームが9チーム程あったんですが、そうすると、他のチームが何を作っているのかが分からなくなってくる訳です。
更にそれを集めて1つの組み込みシステムを作ったんですけど、それがどういう風にディペンダブルであるか、安全であるかというのを、システムの利用者である企業の皆さんに説明することが、すごく難しかったわけです。
その時に、GSNみたいな、あれは一言でいうと、ゴール志向なんですけれども、ゴール志向で、このシステムのディペンダビリティはこれです。これは、こういう風にできています、という風に、すごく単純なツリー構造だったんですけど、ある時に、中間報告会で、ツリー構造を作ったんですね。9つの研究チームが作ったものを、

平鍋

平鍋

そのプロジェクト自体のやってることを?

 

 

松野先生

松野先生

はい。プロジェクト自体のやっていることを1つのGSNで書いたら、あ、このシステムのOSの冗長性は、この大学のこの機能で担保されてるんだね、ということで、一目瞭然になって、やはりこういう風に安全性やディペンダビリティを見えるようにするということが、ディペンダブルにものを作ることと、ひょっとすると同じくらい大切なんじゃないかと、ま、そのGSNという名前だったんですけど、プロジェクトとしては「D-Case」という名前をつけました。

平鍋

平鍋

もちろんGSNなんだけれども、そこからのアイデアを更にD-Caseとしては、アイデアを加えていったんですか?

 

松野先生

松野先生

はい、そうですね。今説明したように、僕たちはシステムを作るということに主眼をおいた研究チームだったんですが、そうすると、ドキュメンテーションするということはもちろん大切なことなんですけど、ドキュメンテーションしたことと、実際システムがこういう風に障害対応するという、ことの、ある意味同期ですね、システムとGSNで書かれたようなものが、ちゃんと同期している、シンクロナイズしているということが大切ですよね。


AYM パターン


松野先生

松野先生

そうるすと、では既構造とか、どういう風に書けばいいんですか?それを支援するツールはあるんですか?という事なんですが、

 

平鍋

平鍋

僕も、最初(GSNを)描いてみたんですけど、すごく戸惑ったんです。描いたこともないし。トップはかけても、どう分けるの?とかすごく悩みました。

 

松野先生

松野先生

そうなんですね。実は、そこは明確な数学の証明のように描けるものではないんです。「この構造は100%正しい」と言える訳はないので。そうすると、自動車には、こういう風に分けた方ががいいよとか、飛行機に対しては、まず、安全性要件を全て列挙しないといけないね、とか、そういった事を知識として加えていくことが必要です。そして、それをパターン化して、それをライブラリから取り出したらすぐ使えます、といった事も必要になっていきます。


AYM 日本からの国際標準化


松野先生

松野先生

アシュアランスケースは、GSNの一般的な言葉ですが、4年間やってきて、この研究的には、言い過ぎかもしれませんが、世界のトップレベルに近づいていて、僕たちの独自の考え方を形式化できるようになってきました。その中の一つとして、こうした議論構造を使って、日本的な考え方を表現できるようになった。

 

平鍋

平鍋

日本的、日本流というのは、「すりあわせ」とか「繰り返し型」とか、既存のものに対して差分開発、派生開発によって、新しいものをつくってく、そういう事ですね?

 

松野先生

松野先生

はい。僕たち日本人は、そういう事を阿吽の呼吸で伝えている訳ですよ。それを、GSNで見せると、欧米の人は分かってくれるわけですね。ということは、僕たちの知識をGSNという形で欧米の人にも分かってもらう。そして、それを国際標準化しようという活動を、今OMG (Object Management Group)でしています。OMGは、あのUMLで有名な民間の国際規格団体ですね。

平鍋

平鍋

どういう規格の名前ですか?

 

 

松野先生

松野先生

ちょっと長いんですが「Dependability Assurance Framework for Consumer Device」です。Dependabilityというのは、安全性という意味の言葉ですね。それに対してAssuranceは、安全ですよ、ディペンダブルですよ、という事納得してもらう、その為のフレームワークを作ってるわけです。その中で、日本的な「すり合わせ」をするということを表したGSNのパターンを標準化しようとしています。

 

平鍋

平鍋

先ほどこの絵をちらっと見せていたんですが、「既存部分」と新しく追加した「更新部分」、そんな分け方をされているんですよね?

 

松野先生

松野先生

こちらの区分が既存部分です。既存の部分は、1から全部確かめるより、市場レコード、市場データを基に保証するという、

 

平鍋

平鍋

「Proven in Use」ですね?

 

 

松野先生

松野先生

はい。
Proven in Useという考え方で、いかにそれで保証できるか、という事が大切になります。ここ小さいのですが、ここが、今度新しく作る部分です。ここは、部品から詳細に一個一個全部確かめていく必要があります。誰も使ってないわけですから。
Kenji_mr.matsunoでは、ここで既にある部分と新しく作る部分、ここを別々に大丈夫だよと確かめることで、十分かどうか。
実際には、これが全体として動くかどうか、ということを、また別にやらなくてはいけません。これは、非常に基本的な考え方ですが、日本流の差分開発、日本的な考え方ですね。
なので、今すでに問題になっている、これから必要になってくる国際規格だと考えます。その中で、僕たち日本が生き残るというか、競争力をつけて、僕たちの企画を考えていることを、世界に発信する、そういう一つのきっかけになればいいです。

 

平鍋

平鍋

日本は、なかなか携帯電話とか、国際的に負けていきますね。でも、安全性やディペンダビリティなシステムに関しては、日本はまだ、今でもすごく強いですよね。

 

松野先生

松野先生

そうですね。特に自動車の作り込みとか、日本の大きな自動車会社のテストのやり方は、普通でないくらいやってるわけですよね。しかし、それは社内、中でやっていることで、どうやっているかが、なかなか表に出てこない。そのやり方自体を国際規格によって「実はこうやっているんですよ」ということが、欧米の人に伝わって分かってもらう。

 

平鍋

平鍋

そうですね。しかも市場はグローバルになっているから、欧米の人に分かってもらえる形で伝えないといけないんですね。

 

松野先生

松野先生

はい。今、日本だけで一つの自動車を作るって有り得ないんです。タイヤやエンジン部分を外国企業に作ってもらう、ということがあります。

 

平鍋

平鍋

なるほど。受発注の関係の中でも、発注者と受注者がいて、例えば「部品を作ってください」という時に、部品に対して、D-caseあるいはGSNでもって「安全性を説明してください」という発注の仕方もある訳ですね。

 

松野先生

松野先生

そうなんです。
そういう風に、皆が分かり合える、共通のものとして使っていきたい。それが、私たちの目指すところです。

 

平鍋

平鍋

日本だと、わりと車が強いですけど、今産業界でGSNを使っている企業は、どういったところがありますか?

 

 

松野先生

松野先生

僕は、これを研究していて、実用化という中で、いろんな企業の方に「GSN、D-Caseどうですか?」と聞いてますが、最近、研究会(D-Case研究会)を年に2〜3回、50〜60名の規模で研究会を開いて、色々な議論をしています。その中で「まだ”これから”の部分も多いけど、考え方自体は共感できるね」という方が非常に増えています。
その中で、DENSOクリエイトさん、自動車の部品を作られている企業の方が、大変興味を持ってくださる方がいらっしゃって、実際GSNを書いてみることをトライされている方が増えています。
例えば、今astah* GSNがめでたくリリースされましたが、そのastah* GSNを、DENSOクリエイト社内の開発現場で使ってみる、という話を聞きますね。

平鍋

平鍋

それは、小林さんですね?

 

 

松野先生

松野先生

小林さんは、すごく熱心にやられていますね。

 

 

平鍋

平鍋

研究は勿論大事ですけど、実際に根付くかどうかは、やはり産業界にかかっていますよね。

 

 

松野先生

松野先生

いろんな人と一緒に一緒に目指して研究開発していくという事が、今後やっていきたいことですね。

 

 

平鍋

平鍋

今日はどうもありがとうございました。

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